ある借地人は「建物が老朽化したので、第三者に売却してマンションに住み替えたい」と言っています。その土地は手放しても良いと思っています。この場合、借地権と同時に底地を第三者に売却したほうが良いのでしょうか?それとも借地権を買い取った後に、第三者に売却したほうが良いのでしょうか?

 借地権と底地を同時に売却しても建物を一旦購入(借地権を消滅)後売却しても、経費自体がそんなに掛かるものではないことから、どちらでもよいと思われますが、同時に売却する場合は権利割合を決めて売却することとなります。この割合が地主に有利な場合は手間が掛からない同時売却をした方がいいのでしょう。
 権利割合は国税庁が開示している路線価図に示されている借地権割合を基準とすることが多いですが、それまで更新料の支払いがないなどの何らかの事情がある場合には、割合を調整することになります。
 また、借地人が換金化を急いでいて安い価格での譲渡でも良いのであれば、地主が借地権を買い取った後に第三者に売却したほうが、たとえ測量費や建物解体費が掛かっても手残りが多くなります。
 <同時売却>
   (売却価額×権利割合分%)-(測量負担分+媒介費用負担分)= 課税所得額
<取得売却>
  (売却価額)-(購入代金+測量費+建物解体撤去費+媒介費用)= 課税所得額